インプラントを入れたいと思っていても、禁忌症の方(適さない方)がいらっしゃいます。たとえば、顎の骨の量が少ない方、高血圧・糖尿病などの全身疾患のある方、また重度の歯周病の方などはインプラントの禁忌症となります。
一方で、禁忌症でなくても、インプラントに抵抗を感じている方もいらっしゃいます。「手術が怖い」「費用が高い」「治療に時間をかけたくない」などは、多く聞かれる理由ですね。
いずれにしても、このような場合に選択肢になるのが「入れ歯治療」です。今回は、何かとインプラント治療と比較されがちな入れ歯について解説していきましょう。
入れ歯はインプラントにはかなわない!?
インプラント治療は、登場して以来、メリットが多い画期的な治療法として認知度が高まり、現在では数多くの方が「失った歯を補う治療」としてインプラントを選ぶようになりました。では、インプラントよりずっと昔からあった入れ歯はどうでしょうか? 「インプラントに取って代わられた治療」というイメージを持つ方も多く、相対的に印象が悪くなっているかもしれませんね。
たしかに入れ歯はインプラントほど力強くは噛めませんし、痛みや違和感が出ることもあります。見た目の自然さでも、インプラントには劣るかもしれません。しかし、中には何の問題も感じずに入れ歯を快適に使っている方もいらっしゃいます。必ずしもインプラントが最善の治療とは限らず、人によっては入れ歯がベストな選択肢になる場合もあるというわけです。もう一つ忘れてはいけないのが、インプラントに注目が集まっている間、入れ歯も進化しており、従来より高品質のものが登場しているということです。
入れ歯の基礎知識
一言で「入れ歯(義歯)」といっても様々な種類があり、様々な分類方法があります。
総入れ歯 / 部分入れ歯
自分の歯が一本もなく、すべての歯を補うために使うのが「総入れ歯(フルデンチャー)」です。これに対し、一部の歯を補うために使うのが「部分入れ歯(パーシャルデンチャー)」です。
保険の入れ歯 / 自費の入れ歯
「保険の入れ歯」は、保険診療の範囲内で製作する入れ歯です。健康保険がきくので費用は比較的安く済みますが、使える素材など条件が限定されるため、装着感や審美性を追求することはできません。一方で、「自費の入れ歯」は全額自己負担になりますが、使える素材・技法に制約がありません。それゆえ、装着感にも審美性にも優れた入れ歯を製作することができます。
クラスプデンチャー / ノンクラスプデンチャー
一般的に、部分入れ歯を固定するときは金属のバネ(クラスプ)を使います。これが、残っている歯にクラスプを引っかけて固定する「クラスプデンチャー」ですが、近年はクラスプを使わずに固定する「ノンクラスプデンチャー」が人気を集めています。ノンクラスプデンチャーは、やわらかい樹脂(プラスチック)の弾性を利用して歯茎にフィットさせる入れ歯。金属のバネがないため見た目が自然で、健康な歯に大きく負担をかけることもありません。
新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より
今回は入れ歯の基礎知識をご案内しましたが、次回はもう少し詳しく自費の入れ歯にフォーカスして解説していきたいと思います。
上述のとおり、長年にわたって何の不自由もなく入れ歯を使っている方もいますし、いったんは入れ歯を使ってみたけど慣れることができずにインプラントに変更する方もいます。スワン歯科はインプラントにも入れ歯にも対応しており、患者様のご要望・お悩みを伺ったうえで、患者様にもっともご満足いただける治療法をご提案しております。インプラントか入れ歯かでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
次回の歯科コラムは、3月7日(月)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。