インプラント治療は、費用が比較的高額であることや、手術を伴うこと、治療期間が長くなることなどから、患者様には様々な不安がつきまとうと思います。一時期、インプラント治療にまつわる事故・トラブルが報道されたことも、患者様の不安に拍車をかける要因になっているかもしれません。
このような背景もあり、「どこの歯科医院で治療を受けるべきか?」ということは、インプラントを検討する人にとって最大の関心事になっています。
インプラント治療を受けて満足できるかどうかは、歯科医院を選ぶ段階で決まると言っても過言ではありません。今回より前編・後編に分けて、「インプラントを受ける歯科医院の選び方」について解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
歯科医院に行かなくても分かることがある!?
インプラント治療を受ける方の多くは、まずインターネットで検索して、めぼしい歯科医院のホームページをチェックすると思います。その後、歯科医院に足を運んで相談をするというのが一般的な流れでしょう。つまり、ホームページから得られる情報で最初の選別をして、実際のコミュニケーションから得られる情報で最終の判断をするわけです。前編では、ホームページから得られる情報の中から4つのチェックポイントをご紹介していきます。
ポイント01:通いやすい
症例によって差はありますが、インプラントは治療開始から完了まで、少なくとも数回の通院が必要になります。また、治療が終わった後もメンテナンスを受けるため、定期的に通院する必要があります。それを考えると、歯科医院の立地は非常に重要なポイントになってきます。自宅や職場から通いやすいこと、また、引っ越し・転勤の予定など将来のことも踏まえて、通院が負担にならないアクセスの良い医院を選ぶようにしましょう。
ポイント02:オペ室がある
インプラント治療は手術を伴います。安全性の高い治療を実現するためには、手術をする場所が徹底的に衛生管理されている必要があります。たとえば、カーテンやパーテーションだけで仕切られた診察台で手術を受けるとしたら、院内感染の心配がないと言えるでしょうか? 安全性の高いインプラント治療を受けるためには、衛生管理されたオペ室がある医院を選ぶことが重要です。
ポイント03:豊富な治療実績がある
インプラント治療の実績が少ないからといって、その医院が信頼できないとは言えませんが、やはり実績は多いに越したことはありません。古くからインプラント治療に取り組んでいて、数多くのオペを手がけている医院には、それだけ様々な症例に対応できるノウハウ・体制があると考えられます。ホームページでインプラントの治療実績を確認するのは必須だと言えるでしょう。
ポイント04:CTを導入している
インプラントの手術で、万が一、神経を圧迫したり傷つけたりしてしまうと、しびれや麻痺が生じるケースもあります。このようなミスを防ぐためには、肉眼では見えない顎の骨や神経、血管などの状態を正確に把握する必要があり、そのために重要な役割を果たすのがCTです。CTを導入している医院なら、安全性の高いインプラント治療が期待できるでしょう。
【パノラマレントゲンとCTの違い】
従来のパノラマレントゲンは、2次元の画像しか見ることができません。得られる情報に限界があるため、難症例になるほどトラブルのリスクも高くなってしまいます。一方、CTは3次元の立体的なデータを取得でき、神経や血管の位置、顎の骨の厚みや形状、歯と骨の位置関係などを正確に把握できます。より安全なインプラント治療を実現するためには、今や欠かせない機器だと言えるでしょう。
次回は、インプラントを受ける歯科医院の選び方(後編)として、実際に歯科医院に足を運んだときに着目すべきポイントをご紹介します。公開は9月7日(月)を予定しております。ぜひお楽しみに。